和太鼓オリジナル曲「雨夜の星」ができるまで | 和太鼓音楽集団萌芽(ほうが)

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和太鼓オリジナル曲「雨夜の星」ができるまで

愛知県知多半島を拠点に活動する和太鼓音楽集団「萌芽(ほうが)」の代表・鳥居侑平です。

今回は、私が作曲したソロコンサートのテーマ曲「雨夜の星」について、その制作過程を少しずつご紹介したいと思います。

「和太鼓の曲って、どうやって作ってるんですか?」というご質問もよくいただくため、この記事では実際の流れを包み隠さずお伝えします。


① テーマ決め|感情・世界観から曲作りを始める

まず最初に行うのが**「テーマの設定」**です。

今回の曲名「雨夜の星」には、“暗闇の中に希望を見出す”という意味を込めました。

インスピレーションの源は、とある漫画のキャラクターの「夢」に関する言葉。

そこから連想して、夜空にかすかに光る星のような勇気を表現したいと考えました。

冒頭は静かに始まり、だんだんと勇気が満ちていくような、そんなストーリーを音楽に乗せていきます。


② 拍子とキーを決める|和太鼓と旋律楽器の相性を考慮

次に決めたのが拍子とキー

  • 拍子:8分の6拍子(=3拍子系で流れるようなリズム)
  • Key:Cメジャー基準のAマイナー(Am)

篠笛で吹きやすい「8本調子」に合わせる形で、自然にこのキーに落ち着きました。

今回の作曲では、以下のソフトを使用しています:

  • Logic Pro(リズム・伴奏の打ち込み用)
  • MuseScore(ミューズスコア)(譜面作成)

コード進行は、耳馴染みの良い【Am–F–G–C】、いわゆる小室進行をベースに設定。

ロジックにリズムを入力し、キーボードで伴奏を軽く鳴らしながら、雰囲気を確かめていきます。

前半リズムのみ〜伴奏付け


③ サビの作成|視覚でメロディを捉える

「サビ」こそが曲の核。

ここでは、コード進行に合わせてメロディーラインをミューズスコアに入力しながら作っていきます。

実は私は、耳よりも目で音を捉えるタイプです。

画面上に音符を打ち込みながら、視覚的にメロディーの流れを確認し、イメージを具現化していきます。(曲の構成上コードは変わっています)

どのように作るのか?と聞かれると、「なんとなく」です(笑)

感覚的な部分も大きいため、言語化するのは難しいのですが、悩みに悩んだ末に生まれたサビがこちらになります。


次回予告|Aメロ・Bメロ・間奏などの肉付け作業へ

サビができると、曲の世界観が一気に固まり、そこからAメロ・Bメロ・間奏といった構成部分を加えていくフェーズに入ります。

次回の記事では、この「雨夜の星」の曲全体の構成の組み立て方や、各パートの役割分担(篠笛・箏・三味線・雅楽など)について詳しくご紹介していきます。

この記事の著者

鳥居 侑平

2015年、プロの和太鼓奏者として本格的に活動を開始し、神戸市を拠点とするプロ和太鼓集団「和太鼓松村組」に入団。約9年間にわたり、全国各地の舞台やイベント、学校公演などでおよそ1,000回に及ぶ演奏経験を積む。演奏技術に加え、舞台構成や演出についても実践的に学び、観客を惹き込むパフォーマンスを数多く経験してきた。2022年・2023年・2024年と3年連続でソロコンサートを開催。総動員数は3,000名を超える反響を呼んだ。2024年に「和太鼓松村組」を独立し、故郷・愛知県武豊町へ拠点を移す。現在は、地域に根差した和太鼓教室を開講し、次世代への技術継承と和太鼓文化の普及に取り組む一方、自身もソロ活動やグループ演奏を通じて全国で演奏活動を展開している。 令和2年度 兵庫県より「若人の賞」を受賞。

“和太鼓オリジナル曲「雨夜の星」ができるまで” への2件のフィードバック

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