「すぐ聞く人」が伸びない理由|考える力を鍛えるということ
何か分からないことがあると、すぐに人に聞く。
一見、素直な姿勢のようにも見えますが、私は昔からこの“すぐ聞く人”が苦手でした。
それは決して冷たいという意味ではなく、「考える前に答えを求める姿勢」が、成長を遠ざけると信じているからです。
教えてもらうことは“奪うこと”にもなりうる
質問をするというのは、相手の時間・思考・経験・集中力を借りることでもあります。
もしそれが、「自分で考え尽くして、調べ尽くした上での質問」であれば、教える側も真剣に向き合いたくなります。
でも、「とりあえず聞いてみよう」「聞いた方が早いから」という姿勢では、得られるものも浅くなります。
事業も表現も、考え抜いた人間にしかできない
私はプロの和太鼓グループへ入団して、“聞くこと”をなるべくしないようにしていました。
聞けば聞くほど、自分の成長のチャンスを潰すと考えたからです。できるだけ先輩方に教えられないように、助言をいただいた数だけ自分の成長ができなかったんだと捉えて過ごしてきました。
グループを独立した今、それらの行動が正しかったのかはわかりません。
しかし、自分で考えて成長へ繋げていこうとしてきた日々は、とても役に立っています。
真似は限界。結局、考える力が差をつける
他人の方法をそのまま真似してもうまくいかない。
なぜなら、自分と他人では性格も環境も資質も違うからです。
大切なのは、基本や型を知ったうえで「自分だったらどうするか」を考え抜く力です。
それがなければ、何をやっても表面的になるし、いざという時に応用が効かない。
教室でも“あえて教えすぎない”理由
私は和太鼓の教室も主宰していますが、あえて“教えすぎない”ようにしています。
もちろん技術的なアドバイスはします。
でも、「どうしたらもっと上手くなるか?」「今どう行動したら良いのか?」を考える余白は必ず残します。
それは、生徒の中に“自分で気づく力”を育てたいからです。
不便や違和感の中にしか、力は宿らない
私は、不便な状況や違和感の中にこそ、「人が育つヒント」があると思っています。
すべてが整っていて、何でもすぐ聞けて、答えをもらえる環境では、深い思考や自走力はなかなか育ちません。
「教えてもらえなかったからこそ、自分の力で道を切り開いた」
そういう経験を重ねた人の言葉には、説得力があると感じます。
結局、人を動かすのは“考えてきた時間の深さ”
答えを知っているかどうかではなく、どうやってその答えにたどり着いたか。
そのプロセスにこそ、その人の厚みが宿ります。
考えて考えて考え抜いた先にある言葉や演奏、行動は、きっと誰かの心を動かします。
まとめ|「すぐ聞く人」から脱却しよう
「なんでもすぐ聞く人」が伸びないのは、冷たく言えば“考えていない”から。
優しく言えば、“もったいない”のです。
情報があふれる今だからこそ、「調べる・考える・自分なりに整理する」ことの価値はむしろ上がっています。
一つひとつの判断に責任を持ち、自分で考えて動く力。
それはビジネスでも、表現でも、生き方でも、確実にあなたの武器になります。

