プロ和太鼓奏者のリアルな収入と営業戦略|独立から1年半の実体験を語る
「和太鼓だけで食べていけるのか?」
そんな問いに、私自身の経験から本音で答えたいと思います。和太鼓の道に飛び込み、プロの和太鼓集団を離れて独立してから約1年半。
ゼロから仕事をつくり、営業を学び、単価を見直しながら、ようやく「生きていける」と感じられるようになった今、プロ和太鼓奏者の金銭事情と仕事獲得のリアルを赤裸々に綴ります。

【1】和太鼓で独立、でも現実は甘くない|最初の1年は仕事ゼロに等しい
独立当初は、元所属チームでの実績があるにもかかわらず、仕事はほぼゼロ。
知り合いに教わった「営業ハガキ」を頼りに、保育園や介護施設にひたすら郵送。しかし反応はほとんどなく、せいぜい月1回3万円程度の公演が限界でした。
「演奏技術があっても、営業ができなければ食べていけない」
―この事実に直面し、ようやく営業を学び始めました。
【2】営業の手法
テレアポ・FAX・メール…さまざまな手段を試した結果、最も効果を感じたのがメール営業です。
✔ メール営業の現実
- 効果が出るまで1万件以上送信が前提
- リスト作成〜文面作成〜一斉送信まで、膨大な時間と労力が必要
- でも「的確に届けば」高単価の仕事に繋がる
※ テレアポは一定の効果があるものの、労力に見合わず現在は外注ベース。
月によっては、メール営業の効果が薄いときにテレアポで補填するなど、営業手法の組み合わせが鍵になっています。
【3】料金設定の失敗と学び|低単価は低単価を呼ぶ
最初の1年、仕事が少なすぎて「とにかく演奏できれば…」と、低単価(無料に近いものも)で引き受けていた時期がありました。
しかし、結果的にそれは低単価の案件しか繋がらないという負の連鎖を生みました。
そこで思い切って、料金を一気に引き上げる決断をしました。
✔ 料金を上げた理由
- 自分の10年近い修行と経験を、正当に評価したい
- 過去に応援してくれていた方々に「技術の安売り」は失礼
- 安請け合いを断った先に、本当に求めてくれる依頼が来るようになった
結果、不思議なことに高単価にしてから仕事の量も質も上がってきたのです。
【4】安売りしない覚悟とプロとしての誇り
お客様から依頼をいただくときには、たいてい「大きなイベント」「地域文化事業」「企業イベント」など、責任ある場面が多くなってきました。
だからこそ料金に見合ったクオリティと対応力を持つことが、プロとしての務めだと考えています。
【5】独立を考えている人へ|本当に大事なことは「やってみること」
「仕事がないのが怖い」
これは独立を考えている人が一番感じる不安かもしれません。
でも――
やってみないとわからないことが、たくさんあります。
- 1本の営業が大きな案件へと繋がることもある
- 無駄だと思っていた作業が、3ヶ月後に実を結ぶこともある
- 本気でやれば、見てくれている人は必ずいる
大切なのは「安売りせず、自分の技術に誇りを持ち続けること」。
おわりに|これは未来の自分への戒め
今回この記事を書いたのは、同業者やこれから独立を考える人のためでもありますが、
何より、自分自身がブレそうになったときの戒めでもあります。
和太鼓を生業にするという選択。
険しい道かもしれないけど、挑戦したその先にしか「本当の表現」は生まれないと信じています。

