曲作り
作曲について
今日はよく聞かれる作曲の仕方について。
※とても長いので、興味のある方のみご覧ください
和太鼓奏者はプロアマ問わず、全国共通で誰もが知るような楽曲があまりないためオリジナル曲を演奏する団体がほとんどです。
作曲は演奏することとは全く別の能力が必要になるので、悩まされる人が多いと思います。
また、太鼓打ちは篠笛をやられてる方も多いので、そこからメロディーを作って、リズムを乗せて作られる方も多いと思います。
ただ、篠笛自体の音域が同じことと、そもそも音色が同じなので(歌手がみんな同じ歌声で同じ音域みたいな感じ)
よっぽどメロディーに特徴がないとオリジナリティーが無くなります。
僕もよく使いますが、大体アウフタクトでミソラ〜(C Keyの場合)と入るパターンめちゃくちゃ多いですよね。
あるあるな感じ適当に作ってみました↓
あとはインスピレーションで〜とかも聞きますが、結局曲にする技術がなければ、ありきたりパターンから脱出できません。
じゃあどうやって作ってるのか?
和太鼓楽曲の場合
まずは太鼓だけの曲。
これは持論ですが、太鼓だけの曲は素人の方が聞いた場合、どの曲もほぼ同じに聞こえると思います。
あそこのあのリズムが良かった〜というマニアックなお話はほとんど聞いたことがないです。なのでリズムにこだわりは持っていません。
激しい様を表現したければ8分音符連打とか、簡単な感じでいいって思ってます。
こだわるべきは曲の構成。
同じリズムをどの場所に持ってくるかを考えます。
大体はintro→A→B→C→D→A→Eで終わるパターンが多いです。
覚えるリズムが多く、ある種勉強のような感じにも捉えられるので、小学生の教室ではこのような構成が多いです。
ただ、大人の教室の場合は変えます。
Aのメインテーマをどのように使うかで曲が変わってくるのと、可能であれば使うリズムは①intro②A③Bの3種類以内に収めるのが理想です。(組曲を除く)
歌詞のないインスト音楽の分野になるので、リズム=言葉になります。
言葉数が多すぎると何言ってるかわからないから、という理論です。
以前ソロコンサートでやった「方舟」は1〜3章に分かれています。
楽譜を訳すとこんな感じ↓
1章
intro→Aのリズムを交互に打つ→短いbridge→それぞれのSOLO→Aのリズムを少し変えたA’
2章
鳴り物で自由に演奏
3章
intro→A→SOLO掛け合い→A→B
それぞれの章で複数のリズムをほとんど使ってません。
こんな感じのがしつこくなくて良いかな〜と思っています。
(あと暗譜が楽なのですごく助かる)
もし曲が作れなくて悩んでいる方は、ネットに転がっている和太鼓の曲を1から分析するのが一番早いです。
ここのタイミングでリズム使い回してるのか〜とかソロ入る前に他のパートが何してるのかとか、細かい部分を見てみるといい感じのスパイスの使い方がわかると思います。
上記のようにA→Bとかをメモしてみると全体像がわかってなお良いです。
色々なパターンを混ぜ合わせて、自分の好きなリズムを乗せたら曲完成です。
好きなチームだけじゃなくて、色んなチームを研究してみてください。
メロディーのある曲
太鼓打ちにとって最大の弱点はこちらではないでしょうか。
メロディーのある曲を作ることはめちゃくちゃ難しいです。
人によるのでなんとも言えませんが
冒頭に書いた通り、篠笛1本で曲を作ると大体同じ曲調になります。
あと、最初はオリジナリティーがあっても数曲作ると、あれ?前作った曲になんか似てる気がする…と限界がやってきます。
僕も最初は篠笛だけで作曲してましたが、すぐにこれを感じて方向性を変えました。
僕がお勧めするのはなんと言っても“音楽理論をちゃんと学ぶこと”です。
音楽理論というより、手っ取り早いのはコードを学ぶことです。
これが分かれば、ありきたりパターンを避けやすくなります。
あと、同じような曲になってしまった時に違う曲っぽく聴かせることできますし、篠笛が吹けなくてもコードが分かれば作曲できてしまいます。
ちなみに、ハモリやなんかも全てコードがなければできません。それっぽく適当にやってるわけじゃないです。
コードを学んでからの第1作目↓
コードとか訳わかんないし、そもそも伴奏楽器を演奏できないし〜という太鼓打ちは多いと思います。
大丈夫です。僕は高校時代音楽の成績で「1」を取り留年しかけましたし、伴奏楽器は何もできません。伴奏楽器ができない点においては、楽譜作成ソフト(musescoreなど)で音さえ入力すればいくらでも演奏してくれます。
逆に楽器が演奏できても、なんの音を奏でたら良いか分からなければ何もできません。
メロディーのある曲がうまく作れない方は、まずはコードについて全力で勉強するべきです。
勉強の仕方はYouTubeにたくさん解説動画があるので、とりあえず見て実践を繰り返すしかないです。(もし本格的に学びたい方は作曲家の先生をご紹介させていただきます。)
地道すぎて嫌になりますが、耐えた先には素敵な世界が待っているはず。
僕は作曲家の先生のレッスンを“2年”受講することで、やっと基礎の部分を体に入れることができました。
(プロとして責任を持って曲作りをする場合)
途中で何回辞めようと思ったか分かりませんが、そのおかげでソロコンサートをやろうと決意できたので、やっぱり勉強してきて良かったな〜と思いました。
あと、仮に曲ができたとしても、コードについて何も知らないと、他の楽器の人に多大な迷惑をかけます。極論ですが、コード1つで名曲も駄作に変えることができるので、ものすごく大事です。
コードなんて知りません。絶景の中笛を吹いて、そこからイメージを膨らませて作ったんです!はもはやお話になりません。
わかりやすい動画はこちら↓
珍しく真面目に演奏されているゆゆうたさん。コードや伴奏パターンの大切さがものすごくわかります。
まとめ
という感じでざっくりとですが、曲の作り方を書いてみました。
僕もまだまだ勉強途中ですが、よく聞かれることなのでまとめてみました。
結論、ネットに転がっている素材をとことん研究するしかないです。
明確にどうなっているのか?を理解して頭の中にインプットし、譜面に書き起こすことでアウトプットしてやっと作曲スキルが上がっていきます。
文面だと簡単に見えますが、実際にやるとめちゃくちゃめんどくさいです。
作曲スキルを上げる課題として、自分の好きな曲の伴奏とメロディーを全て耳コピして譜面にする。なんてこともやってましたが発狂するかと思いました。
でもすごい大事なことで、一流の音楽家たちはみんなこれをやってきています。
少し前ですが、知らない曲を聴かされて、その場で演奏してください!なんていう動画も流行ってましたが、それができてしまう人たちは努力してきた時間の桁が違うんでしょうね。音感が良いとか才能もありますが、才能の一言では片付けられないような地道で大変な時間を過ごしてきたんだなって思います。
作曲についての具体的な勉強方法とかは書き出すと恐ろしい文字数になるので、この記事を読んでもやってみたいという変態な方はご連絡ください。
自分も作曲については悩み続けてきたことなので、少しでもお力になれればと思います。